2022年10月下旬から12月初旬にかけて47日間、88ヶ寺+高野山奥の院までを歩く、歩きお遍路をしました。
体験記は別の記事をごらんください↓↓
今回は、お遍路に必要な持ち物を実体験に基づいて解説しようと思います!
出発前はネットでたくさん調べましたが、行ってみてから
- これが大活躍!
- これがあればよかった!
- ただの荷物だった、、、
というものがあったので、一つ一つ理由も添えて解説していこうと思います!
わたしのお遍路スタイル
お遍路の持ち物は野宿をする or しないによって持ち物が大きく変わります。
私は野宿と宿の臨機応変スタイル。
予算が少ないので、野宿や無料で泊まれるところがあればできるだけそこに泊まりつつ、気になるゲストハウスなどがあれば積極的に泊まるという感じでした。
野宿に対応できるよう準備したので、荷物は多くなっています。
それでは持ち物リストを紹介していきます!
持ち物リスト
キャンプ用品
持ち物 | コメント |
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ザック MILLET SAAS FEE 60+20 | 野宿をするので大容量のものを。31900円で購入。必須。 |
シュラフ mont-bell | 寝袋は安物だと寒さに弱く、収納性も悪い。ここはお金をかけるべき。33000円で購入。必須。 |
銀マット | 正確には銀ではなく緑のマット。シュラフを地面に直接敷くと、体が痛いのはもちろん、熱がもってかれるので寒い。寝袋の汚れも防げる。2520円で購入。必須。 |
ソーラー充電式小型ランタン | 夜に調理や書き物をするため。4,5日目あたりに紛失。3090円で購入。不要でした。 |
コンパクトバーナー | 自炊するため。3980円で購入。不要でした。 |
Snowpeak クッカーセット | 自炊するため。4620円で購入。不要でした。 |
Iwatani ガスボンベ×3本 | 自炊するため。不要でした。 |
衣類
持ち物 | コメント |
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パーカーとカーゴパンツ | 歩くときの基本の服装。もっと乾きやすいものにすればよかった。乾燥機でなかなか乾かない。 |
トレーナーとスウェット | 寝間着。これもまた乾きにくかった。 |
ウルトラライトダウンベスト | 朝夜の冷え込みに耐えるために購入。11月下旬から活躍。4990円。 |
ランニングシューズ | しっかり足のサイズを測ってもらい、その上で購入するのが吉。でも歩き続けていると靴底がすり減ってくるので、どうしてもマメは出来てしまうと思う。13750円で購入。 |
靴下×3セット | ユニクロなど普通の靴下。個人的にはそれで十分だった。蒸れないやつがいい(蒸れはマメの原因)。 |
下着・肌着×3セット | 速乾性大事。 |
カッパ | 3coins的なところで購入。少し小さくて使い物にならなかった。 |
日用品
持ち物 | コメント |
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サブバック | 参拝道具・貴重品・軽食などを入れていた。 |
時計 | スマホで確認すると充電がなくなるため。 |
虫除けスプレー | 10月下旬の野宿ではまだ蚊が多かった。虫除けスプレーをかけ、寝袋に潜って、頭に洗濯ネットを被ればほぼ完璧な虫よけに。 |
ウェットティッシュ | お腹壊さないためにも食事前は手を拭きたいものだ。 |
ボディーシート | 野宿でお風呂入れないとき用。 |
ティッシュ | 箱ティッシュで持っていったが、ポケットティッシュのほうがコンパクトで良い。 |
ゴミ袋 | スケボーを包んで雨に濡れないようにしていた。他のものにも防水で役立つ。 |
滑り止め手袋 | スケボーを素手で持つのが嫌だったので。山登りで手をつきたいときも役立つ。 |
爪切り | 意外と爪はすぐ伸びる。 |
日記 | せっかくだから記録に残したくて。スマホでもいいけど充電がなくなる。 |
ボールペン | 納め札や日記に使用。 |
カトラリー類 | スプーン・フォーク・箸のこと。 |
洗濯ヒモ | 不要 |
洗濯バサミ | 不要 |
洗濯洗剤 | 小分けになっているもの。どこのコインランドリーも宿も洗剤はある。極まれに洗剤ないところがあった。 |
洗濯ネット | 宿で洗濯物を持ち運ぶのに便利。乾燥機に入れるときは洗濯ネットからだしたほうが乾きやすい。 |
歯磨きセット | 不便な野宿生活でも歯磨きだけはしよう。 |
シャンプー・リンス・ボディーソープ | 温泉や銭湯にいくとき必要。宿には備え付けのがある。 |
フェイスタオル×3 | お風呂であればレンタルしてもいいけどね。汗ふきタオルとして使うなら必須。 |
正露丸 | トイレがいつでも利用できるわけではないので念の為。 |
絆創膏 | 100均。 |
湿布 | ロキソニン。 |
少し大きめのメッシュポーチ | 日用品のほとんどを収納。 |
遍路用品
持ち物 | コメント |
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白衣 | お遍路をお遍路たらしめるもの。2800円 |
経本 | 般若心経書いてあるやつ。300円 |
納め札 | 参拝時に必要。100枚、200円。 |
納経帳 | 納経してもらう(お経を書いてもらう)紙の本。2800円。 |
輪袈裟 | 首から架ける。 |
線香 | お寺参拝時に必要。 |
ローソク | お寺参拝時に必要。 |
ライター | お寺参拝時に必要。 |
貴重品
持ち物 | コメント |
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財布 | 元々カノからもらったやつずっと使ってる(今カノには内緒)。別に未練があるわけではない。 |
まとまった現金 | 10万くらい持っておいた。使い切りそうになったら下ろす感じ。 |
スマホ | iPhone12mini。auだと四国でもほとんどつながった印象。山奥だとさすがにつながらない。 |
その他
持ち物 | コメント |
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スケボー | お遍路始める前にスケボーを初めて体験しハマる。四国で滑れるかどうかわからなかったが、普通のお遍路じゃつまらないと思ったので背負っていった。もちろんお遍路には不要。滑れるところもかなり限られる。けど話のネタになったので持っていって良かった。 |
重要なアイテムについて解説
大容量ザック
ザックは以下のものを使用しました。
大容量で非常によかったです。
デザインも黒ベースに深い青のヒモを使用していて悪くないし、お値段も他の同じ容量のザックと比べると良心的で◎。
外側にヒモやポケットが多いので、カラビナなどを使えばいろんなものをぶら下げることもできます。
わたしはうまいことやってスケボーをザックの後ろにくっつけてました。
(周りの人に当てないよう注意!)
シュラフやテントを持つ野宿遍路の場合、60L以上の容量は必要になるとおもいます。
そうではなく、毎日宿に泊まるのであれば40Lほどで足りるかなと。
シュラフ
寝袋は以下のものを使用しました。
シュラフは最もお金をかけるべきところです(夏以外)。
上記のシュラフは暖かさ・軽さ・コンパクトさの全てを兼ね備えていました。
ただ、わたしはテントがなかったので、11月下旬以降になってくると壁なしの場所で寝るのは寒かったです。
テントがあれば風を防げ、多少の保温効果もあるので、12月に入っても耐えられると思います。
軽さとコンパクトさは言うまでもなくですね。
いらなかったもの
バーナー&クッカー&ガスボンベ
毎日2,30km歩いたら当然疲れます。
ようやっと寝床にたどり着いた後、なにかをする気力が残っていません。
1日目は初めての野宿という高揚感で自炊することが出来ましたが、それ以降は一度も使うことがありませんでした。
コンビニやスーパーでお弁当を買ったほうが、対時間・対費用効果が高いです。
アウトドア飯が好きなんや!!っていう人以外は必要ないと判断しました。
家で自炊しない一人暮らし男子はなおさら。
なお、ガスボンベは3本持っていきましたが、最初は1本でいいです。
なくなったらコンビニで調達できますし、ボンベ重い…。
これらを全て捨てれば1kg以上は軽くなるでしょう。
折りたたみテーブル
調理・食事のために必要かと思い持っていったが、活躍の場なしでした。
先述の通り、自炊をしなかったためです。
クロックス or サンダル
これは意見が分かれるところかもしれないです。
歩き終えたあと、サンダルで過ごしたいということで持っていく人も多いかも。
私の場合は、靴ヒモを最大限緩めることで着脱のストレスを減らしていました。
洗濯ヒモ&洗濯バサミ
外で洗濯することは一度もなかったです。
秋冬だと干してもなかなか乾かないので、コインランドリーが現実的かな〜。
ソーラー充電式小型ランタン
お遍路を初めて1週間くらいのとき、おそらく徳島駅周辺で失くしました。
それまでも使っていなかったですし、失くしてからも必要だと思ったタイミングはありませんでした。
暗くなったら寝るのが基本です。
これがあればよかった!
テント
歩きのお遍路さんなら無料で泊めていただける善根宿や通夜堂など、ありがたいことに多数あります。
しかし、毎日利用できるほど丁度いい場所にあるわけではなく、近年は特に新型コロナウイルスの影響でたたんでしまう善根宿が後を絶ちません。
ぼくは寝袋しか持っていなかったので、野宿できる場所がとても限られました。
屋根壁のある場所は、風をしのげるので寒さが段違いに違うのと、空間を仕切ることによる安心感があります。
私は2kgくらいあるスケボーを持っていったのでテントは諦めましたが、荷物に余裕があれば持っていくことをおすすめします。
値段はピンキリですが、以下のテントは3000円弱で購入でき、重さも約1kgとかなり軽量です。
大容量モバイルバッテリー
野宿をする場合、寝床の次の次くらいに大事なのが電源です(第2位はトイレ)。
私は紙の地図を買わずにお遍路をしていたので、道を確認するときはいつもGoogleマップを使用していました。
私のモバイルバッテリーはフル充電1回分しかできない容量(ちなみに3760mAh)のもので、スマホフル充電+モバイルバッテリーフル充電で3日しか耐えられませんでした。
写真とか動画とかたくさん撮る人は大容量のものを用意しましょう。
ちなみにこれに限らずですが、濡れて困るものは袋に入れたりしてしっかり防水しましょうね。
靴消臭剤
毎日30km同じ靴で歩いていると、なまら足が臭くなります(北海道弁でちゃいました)。
朝に新しい靴下を履いてもすぐに匂いが移ってしまいます。
ご飯を食べにお店に入ると、たまにお座敷の席しかないお店があり、足のニオイが気になって仕方がない。
宿に着いた後、できるだけ早くお風呂に向かいたいのですが、チェックインの手続きやら施設の案内やら受けなければならず、そこでも気になるのは足のニオイ。
こんだけ歩けば誰だって臭くなってしまうと思うので、なんらかの対策は打っとくべし。
まさに下に貼ってある商品のようなものがあればよかった!
レインウェア
予算がなかったため、3coinsのカッパを持っていったのですが、全く役に立ちませんでした。
1日中土砂降りの日があり、涙を雨で流しながら歩きました(ガチ)
体が濡れると、体温が一気に奪われ低体温症に陥ってしまう可能性があるので、実はけっこう危険です。
山の上は風も強くなるのでなおさらです。
とはいえレインウェアを着ながら歩くのは暑いので、蒸れを防いでくれるGore-Tex(ゴアテックス)のものを選ぶとよいでしょう。
もらって大活躍
ヒザのサポーター
歩き始めて2日目でヒザを痛めてしまいました。
準備していた湿布を患部に貼るのですが、すぐに剥がれてしまいます。
それを見兼ねた一緒に12番焼山寺を登っていたおじさんが、ヒザのサポーターをお接待してくださりました。
これが本当に大活躍。湿布が剥がれないだけでなく、ヒザの痛みも軽減してくれました。
最初から準備する必要もないかもしれませんが、膝を痛めたときは必須です。
ビニール傘
こちらもヒザのサポーターとともにいただきました。
お遍路用品である金剛杖を買わず、それまでは杖無しで歩いていました。そしていただいたビニール傘を杖代わりに山を上り下り。
やっぱり足が3本になるのは違いますね。膝の痛みを大幅に軽減してくれました。
中には両手にストックをもってお遍路をしている方も。そういう方はやはりヒザに問題を抱えているよう。
まだ健康だから気づかなかったのですが、杖は理にかなった道具なんだなぁと感心していました。
また、歩いている途中に急に雨が降ってきた時にもビニール傘は役立ちました。
雨が振り始めてその場でレインコートをザックから出して着るのはとても面倒。せっかく着たのにすぐ雨が止んだときは少しイライラしてしまいます。レインコートの着心地は決して良くないですからね。蒸れて暑いです。
少しの雨ならビニール傘で素早く対応。雨が長引きそうだと判断したら、次の休憩ポイントでレインコートに着替える。この方法ならストレスがないんじゃないでしょうか?
あってもなくてもいいかなってもの
菅笠(すげがさ)
これを被ればお遍路さんの雰囲気がすごい。
だけど白衣と輪袈裟さえ装着していればお遍路さんとして認識してもらえたし、なんなら白衣着なくても大荷物背負って遍路道歩いてれば認識してもらえそう。
日焼け防止や小雨の対応には役立つ。ただ風が強いところで飛ばされかける人もおり、歩きづらそうだった。
また、大きなザックだとかぶっている菅笠とぶつかる。
わたしはスケボーに乗る予定だったので、風を受ける可能性を考慮し購入しなかった。
金剛杖
お遍路には「同行二人」という考えがあり、金剛杖に弘法大師が宿っていると言い伝えられている。
金剛杖を持つことで、いつも弘法大師とともにあるということだ。
しかしお遍路にそこまで厳密なルールがあるわけではない。白衣を着なくても良いし、菅笠もかぶらなくていいし、金剛杖を持つ必要もない。大事なのは参拝する気持ちや道中でなにを感じるかである。
私はスケボーに乗ることを考えて最初購入しなかった。しかし、先述の通りその後ビニール傘を杖代わりに使用。
ヒザに不安がある方は金剛杖じゃなくてもいいが、杖代わりのものは必須だろう。
黄色の遍路地図
全てGoogleマップ頼りでした。
道中にへんろ道を示す道標があるのでそれに従えばほぼ問題はありませんでしたし、わからなければ人に聞くもよし。
しかし、都会の複雑なところは地図を見なければ「どれがへんろ道だ?」となります。
正確にへんろ道を歩きたいんだ!というかたは地図を買ったほうがいいでしょう。
しかし、現在あるへんろ道はどこまで昔のへんろ道に忠実なのかは謎です。
たまに大きな国道を歩くこともありますが、間違いなくこの道は昔にはなかったはずです。
なので地図にへんろ道が示されているからといって、それがお大師様の歩いた本当のへんろ道であるとは限らないのである。
よってわたしはそこまで厳密にへんろ道に従う必要はないと判断しました。
シンプルに地図のサイズも大きいので、小さめのサブバックだと入りません。
まとめ
大事なのは、いかに荷物を減らせるか。
あれがあれば便利だな、これがあれば役に立つかも、とあれこれ持っていきたい気持ちは非常にわかります。
しかし、歩いてみるとすぐわかることですがマジで荷物重い!!!
最初の数日で荷物を送り返す人が多数です。
送り返すことが苦ではないとか金銭的余裕があるならあれこれ持っていってもいいかもしれません。
私は歩き始めて2日目で重さに耐えられずヒザを痛めてしまったので、できれば最初から荷物は最小限にしたほうが懸命です。
足りないとおもったら現地で調達すれば良いのですから。
その頃には筋肉もついているので少しくらい荷物を増やしても耐えられます。
最後にぼくが作った格言で締めたいと思います。
「荷物の重さは煩悩に比例する」
それでは、いいお遍路の旅を!!!